2013年04月02日

その言の葉の意味は

これは「幕末志士の恋愛事情」の二次小説です。
まずは武市半平太先生の 糖度高めラッブラブ編 です。

短いシーンなので、そんなにネタバレはしてないと思いますが
本編未攻略の方は閲覧にご注意ください。
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その言の葉の意味は               幕恋創作小説:武市半平太
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あたたかな陽気のなか、わたしはふと思い出してきいてみた。

「武市さん、くちすいってなんですか?」

問いかけを聞いて、武市さんは一瞬目を丸くしてから
飲んでいたお茶を吹き出した。

「・・・っっ!」
「た、武市さん、大丈夫ですか!?」
げほっごほんとむせる武市さんの背中をさする。
聞いちゃいけないこと、だったのかな。

縁側で一緒にお茶を飲んでいた、龍馬さんと慎ちゃんに目をやると。
ふたりはわざとらしくわたしたちから目をそらしている。
やっぱり聞いちゃいけないことだったみたい・・・

「すいません、そんないけないことだと思わなくて・・・」
なおもむせる武市さんに謝る。
背中を丸めて顔を伏せる武市さんを覗き込むと、

・・・あれ?
なんかちょっと耳が赤い・・・ような。

と、突然龍馬さんが立ち上がった。

「おお、慎太。ちょっと急ぎ相談しちゅうことがあったきに。
 向こうで、ええかの?」
「そうですね、龍馬さん。俺も相談したいことがあったんでした」

ええ!?

「じゃあ姉さん、お茶ごちそうさまでした。」
はお茶を淹れるのがうまいのう。」

わははと笑いながらガシガシ足音を立てて、二人が廊下の向こうに消える。
あっという間に縁側にはわたしと武市さんだけが残された。

・・・明らかに、不自然じゃなかった?今のふたり。

「武市さん、今のふたり・・・」
「・・・
きゅ、と手を握られて、どきんと心臓が鳴る。
ふ、ふたりっきりだ、今・・・

「・・・誰に聞いたの?」
「え?・・・あ、くちすい、ですか?」
「そう。だれ?」

な、なんか武市さん、目が怖い・・・?

「大久保さん・・・ですけど・・・」
「何て?」

うう、武市さんの目がさらに鋭くなったよ。

「えっと・・・武市さんは元気かって聞かれて。
 元気ですよって答えたら、くちすいはしたか、と・・・」
「・・・・・・・・・。」

ぎゅっと武市さんが握る手に力をいれた。
なんだかわからないけど武市さんの真剣な瞳に見つめられて、
わたしの鼓動がはやくなる。

「わ、わからなかったので答えられなくて。そうしたら・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・ふっ、て笑われました。」

「・・・笑われた?」
「はい。嫌味たっぷりな顔で、笑われました」

武市さんが緊張を解いて、ほっとしたように微笑んだ。
「・・・よかった」

よかった?
大久保さんにバカにされたこと…が良かったんじゃないよね。たぶん。

、おいで。」

武市さんが縁側に腰掛けた自分の隣を右手でぽんぽんと叩く。
隣に座れってこと、だよね?
ちょっと恥ずかしいような嬉しいような気持ちで言われるままに腰掛ける。

「もっとこっちにおいで」

え・・・っと。
もっとと言っても、もっと行ったらもうくっついちゃうくらい・・・なんですけど。
。」
躊躇してると武市さんが腕を伸ばして肩に手をかけて。
ぎゅっとわたしの身体を引き寄せる。

こ、これって・・・!
だだだ、抱き寄せられてるよね!?
ち・・・近い・・・!

肩を包む大きな手。
耳にかかるかすかな吐息。
着物越しに感じる体温が熱い・・・。
たちまち、わたしの中は武市さんでいっぱいになる。
どきどきしすぎて心臓がこわれそう。

「た、たけちさ・・・」
「・・・未来ではなんていうのかな」

ええ!?
武市さんで頭がいっぱいのわたしは、すぐには何のことかわからなかった。

「・・・くちすい。未来で何て言うか教えてくれる?」

あ、そうか。
もともとその話をしてたんだっけ。
でもでも、もうそれはどうでもいいというか、今はそれどころじゃないというか。

「えっと・・・あの、」
てゆうかちょっと待って。
それが何かわかんないから、未来でなんて言うかなんてわかんないよね?

「えっと、どんなことなんですか?」
「・・・知りたい?」

武市さんの目が、また真剣味を帯びて・・・
ううん、もっとずっと熱っぽい瞳で、わたしを見つめる。
吸い込まれるように、わたしは目をそらせない・・・

「は・・・い・・・」

無意識に答えていた。

「・・・教えてあげる」


武市さんの顔が、ゆっくり近づいてくる。
これは・・・

めまいがしそうな強い感情にわたしは揺さぶられ、支配される。
それは、恥ずかしくて、でもうれしくて、少し怖いのに泣きそうなくらい幸福な・・・
心が溢れるほどに、武市さん・・・あなたでいっぱいになる。
そしてもうこれ以上ないくらい、武市さんの顔が近づいて、

わたしは予感を信じて、目をつぶった。


すごく長いような、でも一瞬のような、空白の後に。
くちびるに・・・武市さんを感じた。

「・・・・・・っ!」

瞬間、腰から頭まで電流のように快感が走り、わたしは身震いする。
思わずよじった体を、武市さんがきつく抱きしめた。

「・・・・・・・・・。」

触れていたくちびるが、少し離れる。
ちょっとかすれた声で、武市さんが囁いた。

「これが、口吸い・・・」
「たけちさ・・・・・・」

溢れる想いが、あなたの名前となって口からこぼれた・・・途端。

「・・・んっ!」

ふたたび、口づけられた。
でもそれは、さっきの触れただけの口づけとは違って。
開きかけていた唇の間に、深く深く、武市さんを感じて・・・・・・

「・・・ん・・・・・・っ!」

武市さんしか感じられない。
周りの世界がぐるぐるまわって霞んでいく・・・
自分がどこにいるかもわからなくなりそうで、わたしは必死に武市さんにしがみついた。
武市さんは応えるように私をさらに抱きしめて、
もっと深く、長く、溶けあうほどに近く感じるほど口づけを繰り返す。

武市さん・・・・・・好き・・・好き・・・
もう、それしか・・・・・・考えられない・・・・・・。

「・・・・・・好きだよ・・・

いつのまにか離れた武市さんの唇から、
わたしが思っていたことと同じことがつぶやかれて。
うれしくてうれしくて・・・「わたしも」って言いたいのに声が出ない。

胸がいっぱいで、のどが詰まって、体中に力が入らない。

「・・・、は・・・・・・?」

好きです。好きです武市さん。

想いが、涙となって、少しだけ目がにじんだ。
伝えたい。今伝えたいのに・・・・・・
一生懸命、声をだそうと口を動かして「好き」と言ったけど、
やっぱり声にはならなくて。もどかしくて。

でも。
覗き込むようにわたしを見つめていた武市さんが、ほころぶように微笑った。
こつん、とおでことおでこをくっつけて、嬉しそうにまた微笑った。

うん、伝わってる。
声が出なくても、触れただけでも、きっと伝わってる。
だってあなたの心をこんなに近く感じるから。
今、たしかにわたしたちの心は繋がってる・・・・・・

「・・・僕以外から教わっちゃだめだよ?」

まだ体に力が入らないわたしは、かろうじてこくこくとうなずいた。

「・・・未来にいた時も・・・?」
「・・・・・・・・・」

意味するところを察して、ぎこちなくまたうなずく。
きっとわたし、真っ赤な顔してる・・・・・・

わたしのファーストキスは、武市さんだよ。

「良かった」

うう。そうストレートに喜ばれると・・・恥ずかしいんだけど。
でもやっぱり、うれしい・・・。

「で、未来では、なんて言うのかな?」

う・・・。そこはスルーしないのね。

「・・・・・・・・・・・・き・・・」


もう声は出せそうだけど。
言いかけた途端、その単語がものすごく恥ずかしく感じて
わたしはあわてて言葉を飲み込んだ。


「教えて」


こめかみに、やわらかい唇の感触。

「・・・・・・っ!」

そのまますべるように左頬に降りてきて、…ふっと離れて今度は右頬に。
思わず、目を閉じる。

「ほら、教えて・・・・・・」

囁きとともにもれた息が、肌を震わす。
すごく恥ずかしいのは変わらないのに、
武市さんの言葉には逆らえないような気がして・・・・・・
何も考えずに素直に答えているわたしがいた。

「・・・キ・・・ス・・・・・・です・・・。」
「・・・・・・キス?」

今度はまぶたに唇がふれる。

「は・・・い・・・・・・」
「キス。・・・・・・いいね。」

また頬に。
唇のすぐそばに。

「キス、するよ・・・」

甘い囁きが、わたしの思考を停止させる。
もう一度、強く深く口づけられ、わたしは武市さんにしがみついた・・・・・・。


<おしまい>



エロ担当(?)の武市先生に、邪魔が入らない所でもっと行っちゃってほしくて、書きました。

それと、坂本龍馬も大久保利通も「逢引き」の意味すら知らない主人公が
「祝言」はともかく、「くちすい」がわかるんだ!?と疑問に思ったので(笑)






posted by ふじ at 16:58| Comment(21) | 連作長編―武市 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ヤフーモバゲーの掲示板を見てここにきました!

武市さん大好きで、このお話もキュンキュンしました!!ヽ(*´∀`)ノ

また別のお話も読んでみたいです!
Posted by みぅ at 2013年04月03日 11:15
ドキドキしました♪これこれwこういうのが見たい^^とっても世界観そのままでとってもよかったですー♪読ませて頂いてありがとうございました^^
Posted by はじめまして^^ at 2013年04月03日 11:24
>みぅ さまへのお返事

読んでいただけて、コメント頂けてホントにうれしいです!
実は人生初の小説だったので、書いてはみたものの戦々恐々としてたという・・・小心者です。

武市さん、私も大好きです♪
はじめのころのクールっぷりはどこへやら・・・(笑)
武市さんはこの、ラブラブメロメロなとこがたまんないんですよね〜


>はじめまして^^ さまへのお返事

そんな風に言っていただけるなんて、すっごくうれしいです〜。
こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました♪

武市さんはすぐ手がでる割に邪魔が多く、そこでいつもジレンマを感じてたので、
今回はお邪魔虫大久保さん、高杉さん、
そして空気の読めない以蔵にはご退場いただきました(笑)
Posted by ふじ at 2013年04月03日 11:48
とても素晴らしかったです〜☆
こんな武市様を待っておりました。

武市様の別話、お待ちしております!!!
Posted by 馨 at 2013年04月03日 12:06
>馨 さまへのお返事

お褒めの言葉がうれしいです〜!ありがとうございます。
やっぱりこういう武市様が見たいですよね♪

武市様のメロメロっぷりはもちろん、
本能に忠実に嫉妬する独占欲っぷりもたまりません。
次の武市さんはそんなトコロも書いてみたいですね〜。
Posted by ふじ at 2013年04月03日 13:42
素晴らしいです!!(^^)
私も「お邪魔が入らなかったら、先生はどんだけ甘甘何だろう。。。」と思っていたのですが、もうふじさんの先生にキュン死にしそうでした!!(´∀`ノ)ノ
是非!他のお話もお待ちしてます!
Posted by 寺 at 2013年04月03日 19:14
>寺さまへのお返事

キュン死にしそう、とまで言ってもらえて
もうほんとにうれしいです。恐悦至極(笑)です。

先生の甘々は志士随一かと思います。
またそれが似合うんですよね♪
武市先生の「おいで」の攻撃力はハンパないです。
い、言われてみたい・・・
Posted by ふじ at 2013年04月03日 22:56
ふじ様、メッセージありがとうございました
嬉しくなって、早々に足を運んでしまいましたよん♪

そんでもって、主人公の初っ端のセリフで即死しました!
ぐわぁ〜〜〜、甘い、甘甘だぁ〜!
もう夢中で読み進めてしまいましたよん……。
ねこちは土方さんをクリアし、ただいま沖田さんをプレイ中なのですが
次は武市さんにすると心に決めました!!

っていうか、ふじ様、本当に初小説なんですか!?
ねこちはすっかり、ふじ様のファンでございます♪
Posted by ねこち at 2013年04月03日 23:47
>ねこちさま へのお返事

さっそく来ていただいて、ありがとうです〜、ねこちさま。
ページの作り方も名前変更もなにもかも、ねこちさまのマネばかりで恐縮です。
私がコレを書くきっかけとなった、ねこちさまにそんなことを言っていただけるなんて、
うれしいです。ありがとうございます。

本当に初小説です。
読む方オンリーでした・・・というか、読むのもマンガの方が多いんですが。
わからないことだらけですが、ねこちさまみたいに続けられるといいな、と思ってます。
これからもよろしくです。
Posted by ふじ at 2013年04月04日 07:42
はじめまして!
「誰に聞いたの」って、総司くんばりの真っ黒い笑顔で言ってほしいです!!(鼻血)
あまあまえろ担当の先生、もっともっと読みたいですvvv
ああっ、素敵なお話読ませていただいてありがとうございます!!
Posted by りお at 2013年04月07日 20:53
>りおさま へのお返事

はじめましてでございます。
読んでいただいてうれしいです〜
「誰に聞いたの」にはガッツリ武市先生のジェラシーが込めてありました。
読み取ってくれてうれしいです。

武市先生のギラリ顔、いいですよね〜。
Posted by ふじ at 2013年04月07日 21:57
おおお!!!
な、名前がぁぁぁぁ(鼻血でそう)入るんだ!!!!!!!!!!!!!!!
萌死にしそうやん(//▽//)
Posted by はじめましてと書いてしまった『はる』です^^; at 2013年04月19日 10:07
>はるさま
はい、名前が入れられます。
どうぞお使いのお名前を入れてください。
てゆうか、入れないと抜けるので文脈がなりたなたいという・・・
幕恋も執恋も自分で使ってる名前でないと、イメーッジかわっちゃいますよね。
他の方のブログをまねさせていただいたのですが、意外と簡単に設定できました。
すごいですよね〜
Posted by ふじ at 2013年04月19日 21:21
幕末のサークルから来ました。
幕末本編は、こんなに甘甘な話が無いので、すっごく読んでいて嬉しかったです!もちろん本編に文句は無いですが、やはり乙女ゲーム好きな者からしたら、正直言ってこんなラブラブなのが見たい!って思っちゃいます。なのでとても楽しかったです。ありがとうございました。
Posted by とも at 2013年04月27日 17:17
>ともさま
こんにちは、いらっしゃいませ。
コメントありがとうございます!
私も本編に文句はないですが、もうちょい先が見たい・・・その思いで書き始めた小説です。
素人も素人ですので、至らぬ点も多いかと思いますが、楽しんでいただけたと言ってくださって、本当にうれしいです。
Posted by ふじ at 2013年04月27日 21:50
はじめまして!
全て一気に読ませて頂きました!もうドキドキが止まらなくて・・・益々武市さんを好きになりました。
もっと読みたいです!!みんなのキャラもばっちりでだし、これからも楽しみに待っています!!
Posted by まき at 2013年04月28日 04:41
>まきさま
はじめまして!ご来訪ありがとうございます!
そういってくださるととっても嬉しいです。
武市さんの甘々セリフの数々は、ほんとたまりませんよね(笑)
まだ続けていきたいと思ってますのでよろしくお願いします!
Posted by ふじ at 2013年04月28日 19:51
はじめまして^^
幕恋サークルから来ましたv

ホント、本編ではいつも邪魔が入り悶々しておりましたが;;fuji様の小説を拝読させて頂き、大満足です〜!

これからも楽しみに通わせて頂きますねvv
頑張って下さいませv
Posted by Jiny at 2013年05月01日 23:38
>Jinyさま
はじめまして、ご来訪ありがとうございます。
そうですよね〜、本編では邪魔が多くて。それもいいんですけど、そのストレスがこの最初の「言の葉」を書く原動力になりました。
最近モバゲ日記にゴールデン武市ウィーク祭り協賛として再アップさせていただきましたが、久々に読み返すと、イチャイチャっぷりが、かなり自分では恥ずかしいです(笑)
コメントありがとうございました!
Posted by ふじ at 2013年05月02日 08:11
初めまして、書き込みさせていただきます顔1(うれしいカオ)武市先生すてきです〜…てれてれ胸がきゅんといたしました…てれてれ

素敵な物語を読ませていただき、本当にありがとうございます。また来ます!
Posted by 花梨 at 2013年10月06日 20:38
>花梨さん
はじめまして!いらっしゃいませ!
読んでくださってありがとうございます!
この続きはは11作目までありますので、どうぞお時間あるときに読んでくださるとうれしいです!
こちらこそ、素敵な感想をいただいてしまって、ありがとうございますううう!
Posted by ふじ at 2013年10月07日 07:58
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